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2010年8月 7日 (土)

BNN - 古き剣の正しき使い道

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古き剣の正しき使い道    2010年8月7日

ドーン(Dawn)は雨が好きだった。

残念ながら、この数週間は降っていない。でも、何も心配する必要はないわ、と彼女は自分に言い聞かせてきた。このところは自然においても、そして政治的にも何も炎上などしていなかった。これはとてもありがたいことだった。

そこで彼女は自らが楽しむ時間を少し作ることにした。

アベリー(Avery)が釣りをしたり、酒を片手に武勇伝を語ったりして一日の大半を過ごす生活を送るようになったので、ドーンと数人のエリートガードによる午後の演習試合は減っていたのだ。

モンバットのような熱意を持ってエリートガード達はやってきた。彼らの体つきは任務に見合うものだったし、剣を操る技術にも不足はなかったが、真の技巧や経験に裏打ちされた動きには見えなかった。構えや攻撃が一律で整然としており、あっけなく次の手が読めてしまうのだ。

「腰抜けたちの訓練を見直す必要があるわね」と、剣でなぎ払うと同時に相手の胸元に飛び込みながらドーンは心の中で密かに思った。とどめの一撃のかわりに、みぞおちに剣の柄で鋭い一撃をくれてやる。ドーンの足元にドサリと崩れてうずくまった顔面蒼白な男は、息ができずに口をパクパクとさせた……。これで5回目だ。残る二人がじわじわと近寄ってくるが、肩をすくめたドーンはグローブをはめた手を挙げて遮り、「そこまで。彼を連れて行ってあげなさい」と声を出した。

足を引きずるようにして、二人は退出していった。

これではまるで物足りなかった。侵攻だの悪の巨大な手下どもの徘徊といった出来事が起きず、書類を承認したり商人の縄張り争いの陳情を誰に担当させるか割り振ったりすることに、彼女はもう途方にくれていたのだ。どうしてみんな平和に仲良く生きられないのかしら?

だがもっと重要なことに……、なぜドーンは城の庭園での優雅なひと時を楽しむことができないのだろうか? 灰や肉の焼ける匂いが鼻につく、激しい戦いの最中にいるときの方が心が落ちつくのはなぜだろうか?

城内のいたるところで耳にする柔らかな音色を奏でる楽器をたたき壊したくなり、かわりにもっと気分が高揚する行進曲の演奏を頼みたくなるのはなぜだろうか?

ドーンは剣の切っ先を鞘に向けた。皮と金属による心地よい音をたてて、するりと剣は鞘におさまる。

視界に足を踏み入れてきたのは、有象無象のアドバイザー陣の一人だ……。警戒するようにドーンの剣をちらちらと見ている……。「女王陛下……、ミーア族と選民の間でなにやら小競り合いが起きているとの知らせが入りました」

「続けて」浮かびそうになる笑みをこらえながらドーンは言った。完璧に押し隠せたはずだ。戦士の心を持つとはいえ、ドーンはあらゆる面で女でもあり、女性が持つ特性の全て、狡猾ささえも持ち合わせているのだ。

猛き女王の眼前で、直立の姿勢を整えようとしながら男は報告を続けた。「ええと、女王陛下……。ブリタニアの様々な地域でデーモンの偵察部隊(demon scout)の出現を確認いたしました。目下のところ、奴らと選民を結び付けるものはありませんが、デーモンが出現後必ず選民がすぐ現れるのです。それから、恐れながら感想を述べることをお赦しいただけるのであれば、さきほどのアリーナでの陛下のお姿は大変うるわしく、素晴らしいものでありました」

お世辞にうんざりとした気分になったドーンは、ちょっといじわるな答えをしてやることにした。「感想を述べることを許します。もし本物のアリーナで、この私の刃をかすらせもせずに避ける自信があなたにあるならば」彼女の視線はわずかに下げられ、発せられたその声は午後の灼熱とは対称的な冷たさに満ちていた……。「だから、今のは聞かなかったことにしてあげましょう」

少し間をおき、彼女の言葉が彼の心に浸透していく様子を観察する。「それで、推測と小競り合いの報告以外には何か知らせがあるのかしら?」

声も出せないほど硬直していたアドバイザーは、ようやく立ち直った。「他にはございません、陛下。例のクリスタルは現在もブリタニア城内で安全に保管されております。しかし、警護のガードの交代回数は増やさねばならなくなっています」
「なぜ?」少し気になったのでドーンは尋ねた。

「その、実戦から時間が経ちすぎたせいか、ガード達は少し……おかしくなってまして。あのクリスタルの警備を長時間行う者ほど精神が不安定になっていくのです。彼らの狂気はそのせいとしか思えません」

ドーンは微かな胸騒ぎを感じた。「狂気?」

「はい、陛下」と彼は言葉をつづけた。「しかも、彼らは口を揃えて奇妙な夢に悩まされていると言うのです……。それにもかかわらず、その悪夢のスリルをまた感じたいといって何度も何度も眠りたがるのです」

スリルならドーンはよく知っている。知らずしらずのうちに手はブロードソードの柄に延びていた。剣はいつものように迎えてくれる。「私が直接ミーア族の野営地に向かいます」

「仰せのままに」

デーモン。狂気。熱気。全ては繋がっているのか、それともそう見えるだけにすぎないのか?

厩舎に向かってドーンが歩いていると、聞き覚えのある声が横から投げかけられた。驚きのあまり反射的に剣を構えるドーン……。

厩舎に続く道に笑みを浮かべて立っていた人影、それはダーシャ(Dasha)だった。「おやおや、それが虐げられし民の武勲高き軍人を迎えるやり方ってわけ? 良き友よ……」

ドーンにとって、今日という日がより輝きだした瞬間だった

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