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2011年2月27日 (日)

BNN - 前触れ - 2 および BNN - 前触れ - 3

BNN - 前触れ - 2 と BNN - 前触れ - 3 が更新されました。

どっちも同じ日に更新されているので、まとめて投稿としました。

連続でお楽しみください(え?

EMさんがいらっしゃるシャードは27日本日に葬儀イベントがあるようだけど、他のシャードはないのかしらー?

というわけで、メンドクサイ方はこちらをどうぞ↓

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BNN - 前触れ - 2         投稿日:2011年2月26日

ウスカデシュ(Uskadesh)は船側上で、自分がいつ吹き飛ばされてもおかしくないと感じていた。いずれにせよ、異国の船上で使命を果たさなくてすんだことは喜ばしいことだった。

海風が叩きつけるように翼に吹き付けてきたので、ウスカデシュは肩を少し動かして姿勢を保った。この軍務大臣は一旦翼を開いた後、翼をたたんで甲板上でバランスを取った。

危険で強力なあらゆるものを、ガーゴイルは畏敬の念を持って受け入れる。だから彼も海を受け入れていた。塩からい水しぶき、霧、遠方の嵐を告げるするどい風が鼻腔を刺す。敏腕の乗組員は必要なかったので、ボイド境界警備にあたる新兵たちを呼び集め、この危険な旅に志願する機会を与えてやった。任務さえ終われば始末するつもりだったのだ。

多くの点で、これは帰路のない旅になると思われた。

彼らの船は既に数隻の商船を追いぬいている。この点において言えば、この旅の大部分はありきたりのものだった。乗組員がガーゴイルだと知ると、たいていのヒューマンの船は彼らの船との距離を大きく広げていく。ウスカデシュはツノをふるわせて笑い声をあげ、舵手に対して大声でこう言うのだった「海賊の旗を掲げていれば、もっとマシな扱いをしてもらえたかな?」

この自虐的発言に皆は笑い声をあげ、船は波の上をつきすすんでいった。アビスが開き、ソーサリアとテルマーが同盟を組んでから一年以上が経つが、たとえおだやかな海であろうとも、洋上ではいまだに気分が落ち着かない。

「舵手よ! どこでひと休みする?」自分がヒューマンの表現を使ったことに、ウスカデシュは内心驚いていた。

「アイサー、寄港は……、いや到着は……」と新兵が応じたので笑い声が続いた。新兵はもごもごと言いなおした「海図が正しければもうすぐのはずです」

舵手の言葉どおり、彼らはすぐに目的地へたどり着いた。
ウスカデシュは喉がからからだった。腰につけた革水筒を外し、ごくごくと水を飲んだ。こぼれた水が顔から首の後ろまで一筋につたっていき、任務に向けた心を洗い流してリフレッシュさせてくれた。とにかく、同盟が結ばれたことによって新鮮な水にありつけるようになったのだ。長きにわたり、テルマーには配給、そして枯渇しかなかった。ウスカデシュは冷笑を浮かべながら、心の中でこう思った。まったく本当にありがとうよ、ソーサリア。

そして彼は見たのだった。

その船は慎重に近づいてきた。旗は掲げていない。乗組員の姿も見えなかった。まぶしい夕日が水平線に消え、ようやく2つの影がみえてきた。その一人が、あの見知った囚われの盗賊であることに気付き、ウスカデシュはかすかな驚きで眼を細めた。

ウスカデシュの頭の中でパズルのピースが正しくはまった。リカルド(Ricardo)。二か所に同時に存在する男。ザー(Zhah)よ。あなたとあの勇ましき女王はかなり忙しかったな。

シワのある荒々しく厳しい顔つきをしたブリタニア船の舵手が大声で叫んだ。「ここで何をしている?」

大臣は即座に答えた。「アベリー(Avery)殿にお伝えしたいことがある」

再び操舵手が口を開いた。その男は短く呻くと、また面倒事か、というように頭を抱えた。「だったら俺だ。なんの知らせだ? 言ったら帰ってくれるか。俺の引退生活を邪魔しないでくれ」

帆船は船の中心線を合わせていった。双方が速度を落とすなか、互いの舳先はほとんどぶつかりそうなほど近づいてすれ違った。下ろされた錨が船をしっかりと留める。帆が引かれたので、鎖と木材は急に吹き付けてきた風に抗うように揺れた。

リカルドは確かな足取りで歩いてきた。足音は軽く、いつでも剣を振りまわしたり、何マイルでも泳げそうなほど引き締まった体をしている。彼の首に太い革ひもがかかっていることにウスカデシュは気付いた。あのシーフの赤いチュニックに隠された胸元には、重くて大きな物があるのは間違いなかった。

ウスカデシュは言葉をつづけた。「重大な事なのです。悲報をお伝えに参りました。輝かしきザー女王の使者として申し上げます、誠に残念ではございますが……、貴君の女王陛下は亡くなられました。数日後に葬礼が行われます。どうか祖国にお戻りください」

風がやんだ。どちらの船も動かず、日が完全に沈みゆくなかで海は黒くおだやかだった。

アベリーは青ざめ、船のへりを掴むリカルドの方を向いた。彼は眼を閉じて長い息を吐き、どすぐろい怒りが湧き上がるのを感じた。彼の舌と唇は、塩辛い海水と苦悩でからからに乾ききっていた。

船体に打ち寄せる波の音ばかりが両船の乗組員の耳に届く。もう口を開く者はいなかった。

BNN - 前触れ - 3             投稿日:2011年2月26日

ウスカデシュ(Uskadesh)は、翼もローブも血まみれの最後の一人の乗組員からナイフをひきぬいた。驚きと困惑を眼に浮かべ、いまや命の火が燃え尽きようとしているガーゴイル。軍務大臣はこの最後の一人のアゴにナイフをこすりあて、刃をぬぐった。

ウスカデシュはこの新兵に聞こえるよう、耳元でなだめるような声で話しかけた。「これがお前の聞く最後の言葉だ。お前は女王陛下に立派にお仕えしたぞ」

そしてウスカデシュは向かった。あることを伝えるために。そして賞賛を受けるために。訓練中の新兵は優れた戦闘資質を見せていた。しかし、大臣であるとはいえウスカデシュには、にわか仕込みのひよっこどもとは比べ物にならない何年にもわたる豊富な実戦経験があった。

反吐の出るような仕事がうまく片付き、ウスカデシュは平穏を感じていた。しかし、長時間の飛行には代償がつきものだ。彼の翼と肺は、休息を求めて悲鳴をあげていた。待ち合わせ場所に続く荒野になんとかたどり着いた彼の姿を、半月は地上に影のひだを広げて隠してやった。

飛行中、目的地に近付くにつれて、ウスカデシュは周囲でうなり声をあげるハウンドたちの存在を感じていた。バーチューベイン(Virtuebane)は既に取り巻きどもの準備を済ませているのだ。

これはいい、と彼は思った。褒美として何匹かいただいてペットにするのも悪くなさそうだ。

森のなかのその空き地はこれといった特徴はなかった。火をおこす焚き木が積まれているのでもなく、さまよえる魂が泣き叫んでいるわけでもない……木々の黒い枝の隙間から夜が手を伸ばして忍び寄るだけの場所だった。バーチューベインはずっと待っていたようだった。後ろ足で座り、豚の丸焼きのような臭いを放つ何かをムシャムシャとほおばっていた。夜の静寂は、バーチューベインのよく響く大きな声で破られた。「来たか、軍務大臣。食事中ですまんな。デーモンどもを率いると腹がへっていかんわ。うぬも食らうか?」

軍務大臣は明らかに困惑の表情をしたらしく、バーチューベインは言葉を続けた。「ほう。意外か? 我らデーモンは肉を引き裂き、希望を断つばかりではない。少しは“礼儀”がなくては、我らも生き残れぬ」バーチューベインはクックッと笑った。そしてこの別世界の存在は怪しげに喜びながら肉にかぶりつくのだった。

ウスカデシュは食事がすむまで待つことにした。「いえ、結構です。ガーゴイルは豚をあまり食べないのです。少なくともその……、そこにあるようなものは」

デーモンはさほど時間をかけずに食べ終えると、カギ爪の先をしゃぶりながら軍務大臣の方に向き直った。「さて! この暗闇の中駆けつけてくるとは、一体何事ぞ?」

ウスカデシュは自らを落ち付かせ、知らせを伝えた。「ご存知のとおり、あなた様の計画は順調です。ヒューマンどもから勇気(Courage)は去りつつあり、愛(Love)は裏切られ、真実(Truth)は堕落を迎えています」

バーチューベインは黒々とした手を上げ、軍務大臣を促した。「さっさと要点を言え」

「わたくしは誠意をもって申し上げます――この目でしかと確認いたしました――あの逃げ足のはやい盗賊リカルド(Ricardo)が例のクリスタルを持っております。リカルドは例の葬礼にやってくるはずでございます」

この知らせを聞き、バーチューベインは大きく笑い声をたて、青い稲光を体から放った。この突然の騒ぎに周囲のヘルハウンドは吠えたてはじめた。

「優れた軍務大臣よ。我らデーモンも幸福を感じるのだ。うぬの知らせは我を非常に楽しませてくれたわ。ところで、前回会ったときから、うぬの怪我の調子はどうなった?」

呼び出された記憶に傷口付近がうずき、ウスカデシュは身をすくませた。「あまり良いとはいえません、閣下」

「おおそうか。調子はいいか。ああ、これをなんと言うのだ? 石に針か? 若者は時間を浪費するか?」

デーモンが話す間に、ハウンドの数が増えたようだった。この獣たちは高まる緊張を嗅ぎつけたのだ。バーチューベインが立ちあがると、幾つもの長い遠吠えが静寂をずたずたに切り裂いた。

ウスカデシュは顔をゆがめた。バーチューベインの質問と身をかがめて飛びかからんばかりの姿勢から、殺意は明らかだった。絶望に満ちた声でガーゴイルは言った。「私は何かしくじったのでしょうか?」

バーチューベインは、さして興味もなさそうに首をかしげて言った。「おお。うぬは自らの種族を裏切り、よくやってくれた。だが、裏切り者を信用できるはずがなかろう?」

デーモンの動きは速かった。グワッとアゴを開き、突進する獣の如く、両腕を広げて激しく振り、目にも留まらぬ速さで爪のついた腕を突き刺してきた。バーチューベインはガーゴイルの両翼を剥ぎとった。ハウンドの群れは狂ったように吠え続け、その口からは、輝く炎と泡がしたたりおちる。

ウスカデシュはドサリとくずれおちた。

バーチューベインは自分の背中にはぎ取った翼をつけ、あざけるように言った「どうだ、似合うか? 葬儀にはこれをつけて参列させてもらうとしよう」

デーモンはもう一度跳躍した。ウスカデシュの頭はがっしりと掴まれ、バーチューベインの声が鋭い槍のように耳に突き刺さった。「これがうぬが聞く最後の言葉だ。うぬは女王と民を立派に裏切ったぞ」バーチューベインはさらに皮肉たっぷりの声で言う。「大勢の友達がお前に会いたいと言っておるぞ」

ヘルハウンドが襲いかかり、軍務大臣は金切り声を上げた。ヘルハウンドの血への欲求と、ウスカデシュのうめきが交錯する。バーチューベインはそれを見下ろしながら言った。「おお、もう一つ言い忘れておったわ……。デーモンはな、豚など食わぬのだ」

ウスカデシュの目はようやく暗闇に慣れてきた。体が引き裂かれるその瞬間、空き地の向う側に積み重ねられたものを見て、ウスカデシュはあれが何だったのかを悟った。それは……人の形をした何かだったのだ。

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