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2012年3月16日 (金)

BNN - 覚醒 - 第二章 第二節

BNN - 覚醒 - 第二章 第二節が更新されました。

内容は以下↓ 詳細は公式をご覧ください

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BNN - 覚醒 - 第二章 第二節      投稿日:2012年3月16日

幕間の物語

つまずいて、男はセラーから延びる手すりを掴んだ。すると、その不穏な音が遠くで反響し、彼のいる無人の建物中に満たされた。手に持っている少々使い古されたワインボトルからもう一口あおり、男は廊下を歩いてバルコニーに向かったが、手をすべらせてボトルを取り落としてしまった。拾おうとした男は転倒して身体を床に打ちつけた。そのすぐ傍らにはチリンチリンと鈴音を立てる物がついた布切れが落ちていた。長いこと放置されてボロボロになったその帽子に男の視線は引き寄せられた。遠い過去の記憶が呼び起こされて男は深い悲しみを覚え、その角の一つの鈴が無くなっていることに気づいた。布に向けて伸ばされた男の手は指が触れる寸前で止まり、方向を変えて再びワインボトルを掴んだ。小声でぶつぶつと呟きながら身体を起こした男は、彼自身と同様にその帽子を忘れ去られた存在のままにしておくことにした。そして男は再びワインセラーに向けて歩きだした。

その週の鍛冶屋の収益を計算したウィズレム(Wislem)は、興奮して羽を伸ばし、自らの角にそってカギ爪の指を滑らせた。現在のジュカとの情勢は、確かに厄介なものだった。それによってどのような影響を被るのか予測するのは困難だったが、少なくとも、最近現れた冒険者たちの一団は経済に大きな恩恵をもたらしていた。彼にとっては空前の高収益であったにも関わらず、この冒険者たちは新しいうねりの第一波に過ぎないとウィズレムは感じずにはいられなかった。どのような嵐が来ようとも、どのような騒動が起きようとも、この街は切り抜けられる、彼はそのことに殆ど疑いを持たなかった。もう長いこと、ヴァーローレグ(Ver Lor Reg)は要塞として、安全な聖域として存在しているのだから。そろそろ、この街が注目され、より利益を生み出せる場となる時がきたのだ。

見たところ全てが彼らの望み通りに進行していたが、ザー(Zhah)の申し出を検討しているというの何人かの話をウィズレムは聞いていた。どうか来てください、とザーは彼らに懇願していた。離れ離れになっているより、団結した方がしっかりとした将来を共に作り出すことができますから、と。ザーのこの申し出は無視されはしなかったが、内容を疑問視する向きもあった。ザー側にとってはテルマーを増強することになるだろうが、その反面ヴァーローレグを弱める危険性があったからだ。そこで評議員たちはザーに伝えた。お申し出には大変感謝いたしますが、現在の交易状況からすぐに行動は起こさぬつもりです、と。最近では「もしあの提案を受け入れていたら、この一大商機を逃しただろうな」という冗談じみた会話がヴァーローレグのガーゴイルたちの間で交わされている。ゴーレム工房の気の毒なカーラス・ゼム(Kharas Zhem)のように、この突然の流入に上手く対処出来なかった者も僅かながら存在した。カーラス・ゼムは彼の機械モンスターには欠かせない部品の入手が困難になってしまったのだ。背後の時計から鐘の音が聞こえ、ウィズレムは考えにふけって一時間近く無駄にしてしまったことに気づき、眉をひそめた。彼の考える唯一の真の脅威は、負傷したジュカとそのシロン(Shirron)をかくまっていることだった……。ミスタス(Mistas)へ彼らを移送してはどうかと評議員の一人に話そうとしたが、無視されてしまった。そういつも上手くはいかないか、と残念そうな笑みを微かに浮かべ、ウィズレムは一日の売り上げをしまった。ウィズレムは大理石でできた街の通りを進んでいった。太陽は美しく辺りを照らし、噴水が奏でる水音はウィズレムの耳に心地よく響いた。

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